公務員女子のあなた。生理休暇、使っていますか?
- 一度も使ったことない…
- 制度があるのは知ってるけど、使いにくい…
と思う方も多いはず。
厚生労働省の調査によると、民間企業において令和2年度に生理休暇を請求した女性労働者はわずか0.9%。
100人に1人も使っていないのが現実です。

私もそこまで生理が重くないタイプのため、生理休暇を使ったことはありません。
ですが、私の同僚は毎月必ず生理休暇をとっていました。
今回は、公務員の生理休暇について制度を整理しつつ、取得しづらい理由をまとめました。
毎月生理休暇をとる同僚と一緒に働いてどうだったのか?という視点も書いていきます。
生理休暇が取得しづらい理由5選


生理休暇って、使いにくいですよね。
「生理で辛いんだけど、”生理休暇”じゃなくて”普通の有休”を取った」…なんて人も多いのではないでしょうか。
なぜ生理休暇は取得しづらいのか、その理由をみてみましょう。
1.男性の上司に申請しにくい
生理休暇を申請するということは、「自分が生理です」と自己申告するようなもの。
直属上司が女性だったらまだしも、特に男性上司には言いづらいです。



「男性相手でも気にしないよ」という強いハートの持ち主もいるかもしれませんが、言わずに済むなら言いたくないですよね。
2.生理休暇利用者が少なく、前例がない
そもそも生理休暇を取っている人が少ないです。周りが誰も取っていないと「私だけ?」と気後れしてしまうもの。
冒頭でも紹介した厚生労働省の調査では、女性労働者のうち、生理休暇を取得した割合は0.9%。つまり100人いても、1人に満たない数字。



所属の係単位ではもちろん、課の単位でも「生理休暇取得の前例なし」の可能性は高いです。
3.休んで迷惑をかけたくない
生理休暇を取ると、その分の業務は同僚や上司に振り分けられます。
「自分が休むことで、誰かにしわ寄せがいくのでは?」と考えると、なかなか休みづらいですよね。
特に人員に余裕がない部署では、1人休むだけで仕事が滞ってしまうこともあります。
だからこそ「本当は辛いのに出勤する」という選択をしてしまいがちです。
私の同僚は、毎月生理休暇を取っていました。
- 異動してまもなく「生理が重いので毎月休暇を取ることが多いです」とこっそり話してくれた
- その言葉通り、周期に併せて仕事を調整している様子が伺えた
同僚が事前に伝えてくれたことで、私も業務の見通しを立てやすく、働きやすさを感じました。
「制度をうまく活用しているな」と思うと同時に、もちろん、こうした配慮がなくても生理休暇を取ることは全く問題ありません。むしろ、無理せず体調を優先してほしいと思います。
4.つい我慢してしまう
「今日はきついけど、なんとか頑張れば出社できなくはない…」
そう思って無理をして出勤する人は少なくありません。
でも結果的に体調を悪化させて、仕事のパフォーマンスも落ちてしまうことに。



生理は個人差が大きいので、「我慢しなきゃ」と思わず、体調がつらいときは休むことが大切です。
5.男性の同僚の目が気になる
「今日は生理休暇で休みます」と周囲に伝わるのが恥ずかしい…そんな気持ちもあります。
実際、男性の同僚から「〇〇さんどうしたの?」と聞かれて、「生理で」とは答えづらいですよね。
「体調不良で」とごまかすこともできますが、変に詮索されたり、気まずくなったりするのが嫌で、結局休暇を申請しない人も多いです。
公務員の生理休暇とは。病気休暇?特別休暇?


そもそも公務員の生理休暇はどんな制度になっているのでしょう。
生理休暇の根拠は、労働基準法第68条。
第六十八条 使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。
この労働基準法をベースとして、国家公務員・地方公務員でそれぞれルールが決められています。



生理休暇をとるために診断書は無くて大丈夫!自己申告制です。
国家公務員と地方公務員とでは、休暇制度が異なります。
まずは国家公務員から見ていきましょう。
国家公務員の生理休暇
国家公務員は、「生理休暇」という休暇があるのではなく、病気休暇の一種となっています。
(病気休暇)
人事院規則一五―一四(職員の勤務時間、休日及び休暇)
第二十一条 病気休暇の期間は、療養のため勤務しないことがやむを得ないと認められる必要最小限度の期間とする。(中略)
一 生理日の就業が著しく困難な場合(以下略)
病気休暇なので、取得日数の制限はありません。ただし、病気休暇が年間30日を超えるとボーナスに影響が出る可能性があることは注意しておきましょう。



(生理以外に病気休暇を取得しないと仮定して)生理による休暇を毎月2日以上取得する場合は注意が必要です。
地方公務員の生理休暇
地方公務員は、それぞれの自治体のルールによって異なります。
病気休暇とは分けて、「特別休暇」として制度化されていることが多い傾向です。
参考として、特別休暇と病気休暇の自治体をいくつかピックアップしてみました。
自治体 | 区分 | 規定要旨 | 付与・上限 |
---|---|---|---|
東京都 | 特別休暇 | 生理日の勤務が著しく困難な場合 | 1回につき連続2日以内 |
東京都板橋区 | 特別休暇 | 生理日の就業が著しく困難な女子を保護 | 一生理期間につき3日 |
神奈川県横浜市 | 特別休暇 | 女性職員が生理のため勤務することが著しく困難な場合 | 1回につき連続2日 |
国家公務員 | 病気休暇 | 生理日の就業が著しく困難な場合 | 必要最小限度 |
青森県平川市 | 病気休暇 | 生理日における腹痛・腰痛・頭痛等 | 2日以内(申出で延長承認可) |
神奈川県横須賀市 | 病気休暇 | 生理日の就業が著しく困難 | 必要最小限度 |



最新の取り扱いは、所属自治体の規則をよく確認してみてくださいね。
「生理休暇」の名称を変える自治体もあり


秋田県は今年度から、職員が月経(生理)に伴う症状がある際に使用できる「生理休暇」について、名称を「健康管理休暇」に変更した。取得の際の心理的なハードルを下げるねらいがある。
「生理休暇」改め「健康管理休暇」に…県職員63%が取得希望も実際は8%で(読売新聞)
秋田県の調査では、生理休暇を「取得したいと思ったことがある」人は63%いたにも関わらず、「実際に取得した」人はわずか8%だったそう。
そもそも「生理休暇を取得したい」と上司へ伝えるハードルの高さに目をつけたようです。ネーミングの壁って、大きいですよね。



名称変更だけか…と思うかもしれませんが、こうしたほんの少しの地道な積み重ねが、働きやすい環境づくりに繋がっていくと思います。
ぜひ全国の自治体で取り入れてほしいですね。
まとめ:使える制度はしっかり使っていこう


生理は人によって重さも症状も違います。
「体調がきついときに休む」ことは、決して甘えではありません。
実際、私の同僚は毎月定期的に生理休暇を取っていました。
同じ女性である私には、事前に「生理が重くて…」と話してくれ、むしろありがたかったくらい。
ただ正直、公務員として子育てをしながら働いていると…
- 子どもの病気で休み
- 自分の体調で休み
周囲に「また休むの?」と思われるんじゃないかと不安になることもあります。
こうした小さな我慢の積み重ねが、
「この働き方をこのまま続けていいのかな?」というキャリアの悩みにもつながっていくのかもしれません。
せっかくの制度。遠慮せずにしっかり使いながら、
「これからの働き方」を一緒に考えていきましょう。


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